起業1年目で陥りがちな罠と対処法

この記事はPodcastの書き起こしです

こんにちは、滝沢直人です。5月も最終週になりました。

今月は「ビジネス、起業」というテーマでお話ししてきました。

1週目は「10年間ビジネスを続けてきて学んだこと」、2週目は「最初の起業で意識すべきこと」、3週目は「ビジネスをスケールさせる方法」、そして先週は「長く続くビジネスの作り方」というテーマでお届けしました。

今回は、締めくくりとして「1年目の起業家が陥りがちな罠と対処法」についてお話しします。

僕自身も起業して10年以上経ちますが、初期段階で様々な失敗や試行錯誤を経験してきました。

今日は、これまでの経験から学んだ「失敗しやすいポイント」と「それを避けるための対処法」について具体的にお話ししていきます。

ぜひ最後までお付き合いください。

目次

起業初期こそ避けるべき5つの罠

まず初めに、「初期段階の重要性」についてお話しします。

実は、僕が起業初期に陥った大きな罠の一つは「完璧主義」でした。

僕はもともと細部にこだわる性格で、最初のウェブサイトを立ち上げる時も、「デザインが完璧になるまでは公開しない」「コンテンツが十分に充実してから始める」という考えにとらわれていました。

結果として何が起きたかというと、ローンチがかなり遅れてしまったんです。

そんな中で周りの仲間は同じマーケティング手法で、細かいことは気にせずどんどん売り上げを立ててました。

今振り返ると、「70%くらいの完成度でまず公開して、フィードバックを得ながら改善していく」という方法の方が、はるかに効率的だったと痛感しています。

この「完璧を求めすぎてスピード感が失われる」というのは、多くの起業家に共通する罠です。

統計によると、新規事業の約80%が最初の1年で挫折すると言われています。

その理由は様々ですが、主なパターンとしては:

  • 市場のニーズを十分に検証せずに始めてしまう
  • 資金計画が甘く、途中で資金ショートする
  • 一人で全てを抱え込み、燃え尽きてしまう
  • フィードバックを取り入れず、最初の計画に固執する

こういった罠に陥らないためにも、初期段階での意識と行動が非常に重要になってきます。

では、具体的にどんな罠があるのか、5つに分けてお話ししていきます。

1.完璧主義からスピード主義へ

1つ目の罠は「完璧主義の罠」です。

これは先ほど少し触れましたが、「もっと準備してから」「もっと良くなってから」と思うあまり、なかなか行動に移せなくなる状態です。

例えば、オンライン講座の制作を始めようとしている人が「もっと専門知識を深めてから」「もっと良い機材を揃えてから」と思い、いつまでも始められないケースがあります。

しかし、実際のところ、いくら準備しても「完璧」はありません。

むしろ、早く市場に出して、実際のフィードバックを得ることの方が圧倒的に価値があります。

僕も初めて公開したYouTube動画とか、今見るとめちゃくちゃ恥ずかしい出来なんですけど、それでも始めたからこそ、反応を見ながら改善することができました。

2.少数チームの構築が成果を引き上げる

2つ目の罠は「孤独の罠」です。

多くの起業家、特に個人起業家は「全て自分でやらなければ」と考えがちです。

デザインも、マーケティングも、コンテンツ制作も、カスタマーサポートも、全部一人でこなそうとしてしまいます。僕も最初はそうでした。

全てを自分でコントロールしたいという気持ちと、外注するコストを削減したいという思いから、寝る時間を削ってでも全ての作業を自分でやっていました。

しかし、その結果起きたのは「燃え尽き症候群」です。

普通に生活するなら十分なくらいの収入があるし、頑張る理由が見つからなくなってきたりするんですよ。

重要なのは「自分にしかできないコア業務」と「誰かに任せられる業務」を明確に分けることです。

例えばデザインが苦手なら、その部分は外注する。

営業が苦手なら得意な人をパートナーに採用する。

こうすることで、自分は本当に価値を提供できる部分に集中することができます。

結果的に、初期投資は増えるかもしれませんが、長期的に見れば成長スピードと品質が大幅に向上します。

3.正しく投資すれば正しく成長する

3つ目の罠は「投資の罠」です。

これには2つの極端なパターンがあります。

一つは「お金をかけすぎる」こと、もう一つは「ケチりすぎる」ことです。

まず「お金をかけすぎる」パターンでは、最初から高額な機材を揃えたり、豪華なオフィスを借りたり、まだ収益が安定していないのに従業員を雇ったりします。

これは「見かけ」に投資してしまっているパターンで、肝心の商品開発やマーケティングに十分なリソースが回らなくなるリスクがあります。

一方、「ケチりすぎる」パターンでは、本当に必要な投資さえも避けてしまいます。

例えば最近だと、月額数千円の生成AIを活用しないとか本当にもったいないです。

理想的なのは「ROI(投資収益率)を常に意識した投資判断」です。

その投資が将来どれだけのリターンをもたらすかを冷静に考え、短期的なコスト節約よりも長期的な収益向上につながる部分には積極的に投資することが大切です。

4.SNSや周囲の成功事例に反応しない

4つ目の罠は「焦りの罠」です。

SNSを見るとすごいスピード感の成功事例が目に入ってきたりして、自分も同じようなスピードで結果を出さなければと焦ってしまいがちです。

しかし、そうした成功事例は氷山の一角であり、多くの場合、その裏には見えない努力や準備期間、あるいは恵まれた条件があります。

僕なんて最初の月の収益は100円とかですからね。

しかし、基本的な仕組みが正しければ、成果が出るまでには時間がかかるものです。

重要なのは短期的な結果に一喜一憂するのではなく、「正しい方向に進んでいるか?」を定期的に確認しながら、長期的な成長にフォーカスすることです。

5.完璧なモデリングと多少のオリジナリティ

そして5つ目の罠は「モデリングの罠」です。

成功している人の真似をすることは、一見良い戦略に思えます。

しかし、単純な模倣には大きな落とし穴があります。

なぜなら、その成功者の背景にある市場状況、ターゲット層、ブランド価値、そして何より「タイミング」は、あなたとは異なるからです。

例えば、2015年にYouTubeで成功した戦略が、2025年の今も同じように通用するとは限りません。

また、特定のニッチ市場で有効だった方法が、別の市場でも同様に機能するとも限りません。

大切なのは「なぜそれが成功したのか?」という本質を理解し、自分のビジネスや市場状況に合わせてアレンジすることです。

僕はよく「あの人だったらどんな判断するかな」って視点で考えて動いたりしてます。

表面的に真似るんじゃなく、根本から真似しようとしてみると、勝ち筋が見えてくることがあるのでおすすめです。

罠を避けるための具体策

じゃあ次は具体的な対処法についてお話しします。

1.完璧主義の罠

まず「完璧主義の罠」に対する対処法としては、「ピボット戦略」を取り入れることが効果的です。

ピボットとは、スタートアップ用語で「軸足を固定しながら方向転換する」という意味です。

つまり、最初から完璧な計画を立てるのではなく、最小限の機能を持った製品やサービス(MVP:Minimum Viable Product)をまず市場に出し、そこから得られたフィードバックを基に素早く方向転換していく戦略です。

例えば、僕がオンライン講座を販売するときは、中身よりもコンセプトを重視してます。

そして受講生からのフィードバックを基に、「このモジュールをもっと詳しく」「あのトピックも追加してほしい」という要望に応えながら、徐々に満足度に磨きをかけていってます。

最近も僕の運営しているCreatorsLABという講座も大きくピボットしました。

このアプローチなら、最初から完璧を目指す必要がなく、市場のニーズに合わせて素早く進化させることができます。

2.投資の罠

次に「投資の罠」への対処法ですが、最も重要なのは「優先順位の明確化」です。

限られた資金をどこに使うべきか、ROIを基準に冷静に判断することが重要です。

僕の経験からすると、初期段階で最も投資効果が高いのは以下の3つの領域です:

  1. 「顧客獲得」に関わる部分(マーケティング、セールスページなど)
  2. 「顧客体験」に直結する部分(商品の質、サポート体制など)
  3. 「効率化」につながる部分(時間節約のためのツールなど)

逆に、「見栄え」だけのための投資(豪華なオフィス、最高級の機材など)は後回しにすべきです。

3.焦りの罠

「焦りの罠」への対処法としては、「長期的な視点を持つこと」が重要です。

短期的な結果に一喜一憂せず、「3年後にどうなっていたいか?」という視点で現在の活動を評価することが大切です。

具体的には、月間目標だけでなく、四半期目標、年間目標をしっかり設定し、短期的な変動に惑わされないようにすることが効果的です。

また、成功の定義を「収益」だけでなく、「顧客数」「リピート率」「満足度」など複数の指標で測ることで、たとえ収益が一時的に停滞しても、他の指標が向上していれば長期的な成長に繋がっていると評価できます。

4.モデリングの罠

最後に「モデリングの罠」への対処法ですが、これには「差別化戦略」が欠かせません。

僕はジェームススキナーの成功の9ステップからモデリングの手法について学びました。

ただ、完璧にモデリングしつつ、自分だけの独自性も付け加えることが重要です。

例えば、同じマーケティングのノウハウを教えるとしても、あなた独自の経験やケーススタディ、独特の切り口を加えることで、他にはない価値を生み出すことができます。

単なる模倣ではなく、そこに自分らしさや独自の視点を加えることで、競争の少ない独自のポジションを確立することができます。

起業初期に絶対にやるべきこと

ここまで様々な罠とその対処法についてお話ししてきましたが、最後に「起業1年目に絶対にやるべきこと」をお伝えします。

1つ目は、「顧客との対話を徹底すること」です。

商品やサービスを提供するだけでなく、顧客からのフィードバックを積極的に集め、それを元に改善を重ねていくことが重要です。

初期段階で顧客の声に耳を傾けることで、市場のニーズに合った価値提供ができるようになります。

2つ目は、「データを取り、分析する習慣をつけること」です。

「なんとなく良さそう」という感覚ではなく、実際の数字に基づいて意思決定をする習慣をつけましょう。

どのマーケティング施策が効果的か、どの商品が最も利益率が高いかなど、データを基に判断することで、限られたリソースを最適に活用できます。

3つ目は、「日々の小さな進歩を大切にすること」です。

起業初期は特に、大きな成果が見えづらい時期です。

そんな時こそ、日々の小さな前進に目を向け、モチベーションを維持することが重要です。

「今日は新しい顧客が1人増えた」「今日はウェブサイトの改善ができた」など、小さな成果も記録し、振り返るようにしましょう。

僕はマンネリ化しないように3年くらい簡単な日記を書いてます。

前に進んでる感覚にもなるし、おすすめですよ。

まとめ

今日は「1年目の起業家が陥りがちな罠と対処法」というテーマでお話ししてきました。

おさらいすると:

  • 「完璧主義の罠」に対しては、ピボット戦略を活用して小さく始め、素早く軌道修正すること
  • 「孤独の罠」に対しては、自分のコア業務に集中し、他は任せる勇気を持つこと
  • 「投資の罠」に対しては、ROIを意識した優先順位付けを行うこと
  • 「焦りの罠」に対しては、長期的な視点を持ち、複数の指標で成功を測ること
  • 「模倣の罠」に対しては、学びつつも自分独自の差別化ポイントを見つけること

これらを意識して、適切に対処することで、起業初期の様々な困難を乗り越えることができるはずです。

今月は「ビジネス、起業」について僕の経験談を踏まえてお話ししてきました。

起業を考えている方、既に始めている方、そして次のステップに進もうとしている方、それぞれの段階に応じたヒントを提供できていれば幸いです。

来月のテーマは「オンラインコースの販売と戦略」です。

1月にも同じテーマでお話ししましたが、2サイクル目として新たな視点や最新の戦略を交えながらお届けする予定です。ぜひお楽しみに。

本日も最後までお聞きいただき、ありがとうございました。

それでは、また来週お会いしましょう!

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