僕がUdemyに初めて公開したコースの売上は、たったの165ドルでした。
当時の僕は「自分が作りたいもの」を優先して、市場に求められているかどうかを一切調べませんでした。時間をかけて作ったコースが、ほとんど誰にも見向きもされない。あの経験は正直かなり堪えました。
でも、その失敗があったからこそ、僕はテーマ選びの方法を根本から見直しました。市場リサーチの手法を徹底的に学び、競合分析の方法を身につけ、次に出したコースでは150万円以上の利益を出すことができました。
この記事では、その経験をもとに「Udemyで売れるコースのテーマをどうやって見つけるか」を体系的に解説します。自分の強みを見つけるところから始めて、市場で需要があるかを確認し、競合と差別化するところまで。一連の流れをすべてお伝えします。
なぜテーマ選びがUdemyコースの成否を決めるのか
Udemyでコースを作るとき、多くの人がまず撮影機材や編集ソフトの話から入ろうとします。でも、僕の経験から断言できるのは、コースの成否の8割はテーマ選びの段階で決まるということです。
どれだけ映像がきれいでも、どれだけ丁寧に解説しても、そもそも「学びたい」と思う人がいないテーマでコースを作ったら売れません。逆に、市場のニーズにぴったり合ったテーマであれば、多少映像が荒くても受講生は集まります。
よくある失敗パターンは大きく2つです。
1つ目は「教えたいこと」だけで突き進むパターン。僕の165ドルの失敗がまさにこれでした。情熱があること自体は素晴らしいのですが、それだけでは市場が応えてくれるとは限りません。
2つ目は「売れそうなジャンル」だけで選ぶパターン。これも危険です。自分に知識や経験がないテーマに手を出すと、コースの内容が薄くなり、レビューで低評価がつきます。そうなると、Udemyのアルゴリズム上も不利になります。
大切なのは、あなたが教えられることと市場が求めていることが重なるポイントを見つけることです。
この記事ではそのための具体的な方法を順を追って解説していきます。

自己分析:あなたが「教えられること」を見つける
テーマ選びの最初のステップは、自分自身の棚卸しです。
「自分に教えられることなんてない」と思う方が多いのですが、これは10年間オンライン講座を制作してきた僕の経験から言うと、ほぼ100%の確率で思い込みです。
3つの角度から自分を分析する
自分の教えられるテーマを見つけるには、次の3つの角度から考えてみてください。
仕事のスキル
あなたが日常的に仕事で使っているスキルは、他の人にとっては「お金を払ってでも学びたいこと」かもしれません。Excelのマクロを使いこなしている経理担当者、Figmaでデザインを作るWebデザイナー、生成AIでデータ分析をしているマーケター。こうした「当たり前にやっていること」が、実はコースのテーマになります。
独学で身につけた知識
独学で何かを学んだ経験は、教える上で大きな強みになります。なぜなら、つまずくポイントを自分自身が体験しているからです。プログラミングを独学で学んだ人は、初心者がどこで挫折するかを知っています。それは、学校で教えるプロにはない視点です。
人からよく聞かれること
「それ、どうやってるの?」と聞かれた経験とかないですか?友人にNotionの使い方を教えた、同僚にPhotoshopのテクニックを聞かれた、家族にスマホの設定をお願いされた。人から聞かれるということは、あなたにその分野の知識があり、かつ周囲がそれを必要としている証拠です。
5ステップのスキル棚卸しワーク
次は具体的な棚卸しをしてみましょう。講師養成プログラムでも実際にやってもらっている方法です。
ステップ1:紙やメモアプリを用意して、上の3つの角度に当てはまるスキルや知識をすべて書き出してください。良し悪しの判断はせず、とにかく数を出すことが大切です。
ステップ2:書き出したリストを眺めて、「これについてなら2時間は語れる」と思えるものに印をつけます。
ステップ3:印をつけたものの中から、「他の人がこれを学んだら、仕事や生活がどう変わるか」を1〜2行で書いてみてください。この段階で具体的な変化を言語化できるものは、コーステーマとして有望です。
ステップ4:残った候補を3〜5個に絞ります。
ステップ5:この候補リストを持って、次の「市場リサーチ」に進みます。
ここで大事なのは、「自分はまだ専門家じゃないから」と思って候補を削りすぎないことです。Udemyでは、必ずしもその分野の第一人者である必要はありません。受講生より一歩先にいるだけで、十分に価値のあるコースを作れます。
市場リサーチ:Udemyで需要を検証する4ステップ
自分の候補リストができたら、次はそのテーマに市場の需要があるかを確認します。
ここが僕の165ドルの失敗から最も学んだ部分です。「自分が教えたいかどうか」と「市場が求めているかどうか」は別の問題であり、両方が揃って初めてコースは売れます。
ステップ1:Udemyで直接検索する
まず、Udemyのマーケットプレイスであなたのテーマに関連するキーワードを検索してみてください。たとえば候補が「Notion活用」であれば、「Notion」「Notion 使い方」「Notion 業務管理」などで検索します。
ここで見るべきポイントは3つです。
- 検索結果にコースが何件表示されるか(10件以上あれば市場は存在する)
- 上位コースの受講者数はどれくらいか
- ベストセラーコースはあるか
「競合がいるからダメ」と思う方がいますが、それは逆です。競合がいるということは、そのテーマにお金を払う人がいるということです。競合がゼロのテーマのほうが、市場が存在しないリスクがあります。
ステップ2:受講者数で需要の大きさを測る
検索結果の上位コースをクリックして、受講者数を確認してください。僕が目安にしている基準は、上位3コースのうち少なくとも1つが受講者数1,000人以上であることです。
1,000人以上の受講者がいるコースが複数あるなら、そのテーマには確実に需要があります。逆に、どのコースも受講者が100人以下という状態なら、そのテーマは需要が小さいか、まだ市場が成熟していない可能性があります。
ただし、日本語コースの場合は英語コースに比べて母数が小さいので、小さなカテゴリを攻略したい場合は受講者500人以上を1つの基準として考えてもいいでしょう。
ステップ3:レビューの中身を分析する
受講者数に加えて、レビューの内容を丁寧に読んでください。特に注目すべきは、星3以下の低評価レビューです。
低評価レビューには、受講生が本当に求めていたのに満たされなかったニーズが書かれています。「もっと実践的な内容が欲しかった」「初心者向けと書いてあったのに難しすぎた」「古い情報のままで使えなかった」。こうした不満は、あなたのコースで解決すべきポイントをそのまま教えてくれます。
僕はこの作業を「レビューマイニング」と呼んでいます。競合コースのレビューを20〜30件読むだけで、市場が何を求めているかがかなり明確に見えてきます。
ステップ4:Googleトレンドと外部データで補強する
Udemy内のデータに加えて、Googleトレンドでそのテーマの検索ボリュームの推移を確認しておくと、より確度の高い判断ができます。
右肩上がりのトレンドであれば、今後さらに需要が伸びる可能性があります。逆に、下降トレンドのテーマは注意が必要です。ただし、安定して横ばいのテーマは、一定の需要が継続しているという意味で悪くありません。
また、Yahoo!知恵袋やXで関連キーワードを検索して、「どんな悩みを持つ人がいるか」を調べるのも有効です。実際の悩みの声は、コースの内容設計にも直接役立ちます。

2026年にUdemyで売れやすいジャンルの傾向
市場リサーチの具体的な方法をお伝えしましたが、参考情報として、現在Udemyの日本語コースで需要が高いジャンルの傾向もお伝えしておきます。
IT・プログラミング系はUdemyの看板カテゴリです。Python、Web開発、データサイエンスは安定した人気があり、最近ではAI・ChatGPT活用系のコースも急速に伸びています。
ビジネス・生産性ツール系も根強い需要があります。Excel、Notion、Googleスプレッドシート、プロジェクト管理ツールなど、仕事で「すぐ使える」スキルは購買意欲が高い傾向にあります。
クリエイティブ系では、動画編集(Premiere Pro、DaVinci Resolve)、デザイン(Canva、Figma)、写真撮影が人気です。副業やフリーランスを目指す層からの需要が大きいジャンルです。
資格・学習系はTOEIC対策、簿記、統計学など。ただし、このジャンルは書籍やYouTubeとの競合も激しいため、差別化の工夫が特に重要になります。
これらはあくまで傾向です。大切なのは、人気ジャンルだからといって安易に飛びつくのではなく、自分の強みとの交差点を見つけることです。
差別化:競合がいる市場で「選ばれるコース」になる方法
需要のあるテーマを見つけたら、次に考えるべきは「どうやって既存の競合と差別化するか」です。
需要があるということは、すでにコースを出している講師がいるということ。その中であなたのコースが選ばれるためには、明確な差別化ポイントが必要です。
差別化の3つの軸
僕が10年以上マーケティングに取り組んできた経験から、コースの差別化には3つの軸で考えるのがベストだと思っています。
軸1:対象者を絞る
同じテーマでも、対象者を絞ることで差別化できます。たとえば「Excel講座」は競合だらけですが、「人事担当者のためのExcel勤怠管理講座」にすると、競合は激減します。「生成AI入門」ではなく「不動産業界向け生成AIデータ分析入門」のように業種で絞るのも効果的です。
対象者を絞ると市場が小さくなるように感じるかもしれません。しかし実際には、絞れば絞るほど「これは自分のための講座だ」と感じる人が増え、購入率が上がります。
軸2:切り口を変える
同じテーマでも、アプローチの仕方で差別化できます。既存のコースがすべて「基礎から体系的に学ぶ」スタイルであれば、「実務でよくある10の課題を解決する」という課題解決型のアプローチにする。理論中心のコースが多ければ、実践・ハンズオン中心にする。
具体例を挙げます。Notion講座がすでに多数ある中で、僕は「Notionを第2の脳として情報整理の場にする」という切り口を選びました。単にNotionの機能解説をするのではなく、頭の中の情報を整理整頓するためにNotionを使いこなす内容にしたことで、他の講座との違いが生まれました。
軸3:深さで勝負する
入門レベルのコースは競合が多くなりがちですが、中級者・上級者向けのコースは意外と少ない。特定の領域を深掘りする「特化型」のコースは、対象者は少なくなると思いますが、熱心な受講生が集まりやすいです。
競合の弱点を分析する
先ほどの「レビューマイニング」で集めた情報を、差別化にも活用しましょう。
競合コースの低評価レビューに繰り返し出てくる不満は、そのまま「あなたのコースで解決すべきポイント」になります。
たとえば、競合コースに「説明が抽象的で、具体的な手順がわからなかった」というレビューが複数あるなら、あなたのコースでは具体的なステップバイステップの手順を丁寧に見せることが差別化になります。「情報が古い」というレビューがあるなら、2026年の最新情報を盛り込むことが価値になります。
競合を「敵」として見るのではなく、「市場が教えてくれているヒント」として活用する。
これがマーケティング的なテーマ選びの考え方です。
テーマ決定のための判断基準
ここまでの自己分析、市場リサーチ、差別化検討を経て、最終的にテーマを決める段階で使える判断基準をまとめます。
このテーマで「Go」と判断してよい条件
以下の条件がおおむね揃っているなら、そのテーマでコースを作り始めて大丈夫です。
- ベストセラーのコースが1つ以上存在している
- 自分がそのテーマについて体系的に語れる知識がある
- Udemyで関連コースが存在し、上位コースに受講者が500人以上いる
- 競合コースのレビューから、自分が解決できる不満点が見つかっている
- 対象者や切り口で差別化できるポイントがある
すべてが完璧に揃う必要はありません。3つ以上当てはまるなら、そのテーマには十分な可能性があると判断してよいでしょう。
このテーマは「避けたほうがよい」サイン
一方で、次のような状態であれば、テーマを再検討したほうが賢明です。
- Udemyで関連コースを検索しても、ほとんどヒットしない(市場が存在しない)
- 自分の知識が限定的すぎる(コースとしての深みが出ない)
- 競合コースの受講者が極端に少なく、レビューもつかない状態が続いている
- そのテーマを語ることに自分自身が楽しさや情熱を感じない
最後の条件は意外と重要です。コース制作は数週間から数ヶ月かかる作業です。その間ずっと向き合い続けるテーマなので、ある程度の興味や情熱がないと完走できません。
「市場の需要」と「自分の情熱」のどちらかだけでは不十分で、両方が揃うポイントを見つけることが、売れるコースを作る最大のコツです。
まとめ:市場を味方につけるテーマ選びを
この記事では、Udemyで売れるコースのテーマを選ぶための方法を3つのステップで解説してきました。
まず自分のスキルを棚卸しして「教えられること」を明確にする。次に市場リサーチで需要を確認する。そして競合分析をもとに差別化ポイントを見つける。この3つのステップを踏めば、「作ったけど売れない」というリスクを大幅に減らせます。
僕が最初のコースで165ドルしか稼げなかったのは、この手順をまったく踏まなかったからです。市場のことを何も調べず、自分が作りたいものだけを作った。あの失敗があったからこそ、今こうしてテーマ選びの重要性をお伝えできています。
テーマが決まったら、次はそのテーマをどうやってコースの形にしていくか。ターゲット設定、コンセプト作り、カリキュラム設計と進んでいきます。
テーマ選びの次のステップへ進みたい方へ
テーマの方向性が見えてきたら、次は「コンセプト設計」と「企画書の作成」です。無料で受け取れる特典セットでは、オンラインコース制作の企画書テンプレートをお届けしています。テーマを決めたらすぐに使えるフォーマットです。
加えて、「知っているをお金に変える」動画(19分)では、コースクリエイターとしてのビジネスモデルの全体像を解説しています。テーマ選びの段階で全体像を把握しておくと、その後の判断がぶれにくくなります。


