売れるオンライン講座の企画書作成|コンセプトとカリキュラム設計術

テーマもターゲットも決まったものの、「具体的にどんな内容の講座にすればいいのか分からない」と悩んでいませんか?

講座のコンセプトとカリキュラム設計は、受講者の学習効果と満足度を決める最も重要な要素です。

どんなに素晴らしいテーマでも、学習者にとって分かりにくい構成では、低評価や途中離脱の原因になってしまいます。

この記事では、受講者に「まさに求めていた講座!」と感じてもらえるコンセプトの作り方から、効果的なカリキュラム構成まで、実践的な設計術を詳しく解説します。

記事を読み終える頃には、制作する講座の全体像が見えてくるはずです。

目次

刺さるコンセプトの作り方

コンセプトとタイトルの違いを理解する

多くの人が混同しがちですが、コンセプトとタイトルは別物です。

タイトル: 「ChatGPT活用講座」(何を扱うか)
コンセプト: 「営業資料作成時間を3時間から30分に短縮する」(受講者にとってどんな価値があるか)

タイトルは「何を教えるか」を表しますが、コンセプトは「受講者がどう変われるか」を表現します。
売れる講座は、必ずこのコンセプトが明確です。

例えば、スターバックスのコンセプトは「サードプレイス」で、自宅や職場ではない第3の場所をコンセプトにリラックスできる空間やサービスが作られています。

コンセプトがあるから、そこに適した商品・サービスが作れるということですね。

ペルソナの課題を解決するコンセプト設計

効果的なコンセプトは、設定したペルソナの具体的な課題から逆算して作るのがベストです。

ペルソナの課題: 「毎日のデータ集計に3時間かかって残業が多い」
解決後の状態: 「30分で売上集計が完了し、定時で帰れる」
コンセプト: 「マーケターのためのデータ分析自動化講座〜3時間の作業を30分に短縮〜」

このように、ペルソナの「現在の困った状態」から「理想の状態」への変化を明確にすることで、強力なコンセプトが生まれます。

「学習者が講座終了後にできるようになること」の明確化

コンセプト作成で最も重要なのは、学習ゴールを具体的にすることです。

曖昧なゴール: 「Excelが使えるようになる」
明確なゴール: 「売上データから自動でグラフと分析レポートを作成できるようになる」

曖昧なゴール: 「プレゼンテーションが上手くなる」
明確なゴール: 「緊張せずに20人の前で10分間のプレゼンができるようになる」

数値や具体的な状況を盛り込むことで、受講者にとって価値が明確になります。

僕が19歳の頃に初めて作ったコンセプトは、「ガリガリ体型から12週間で細マッチョ体型を目指すボディデザイン講座」でした。

当時教えて貰っていた先輩は「いつも良い人止まりで関係が終わってしまう男性のためのモテ術」みたいなコンセプトで商品を作っていたのを覚えてます。

もう10年以上前のことなのに、具体的で明確なコンセプトだからいまだに頭に残ってます。

Udemyに適したカリキュラム構成の基本

基本的なセクション構成パターン

Udemyでベストセラーを獲得している講座の多くは、以下の6つのセクション構成を基本としています。

あくまで全体的な流れであって、基本内容や実践内容をカテゴリ毎にさらに複数のセクション分けすると受講生も学習しやすくなります。

↓クリックで開けます

セクション1:イントロダクション
  • 講座の全体像と学習ゴールの説明
  • 講師紹介と実績・経験のアピール
  • 受講者への期待値設定
セクション2:事前準備
  • 必要なツールやアカウントの登録
  • ソフトウェアのダウンロード・インストール
  • 学習環境の整備
セクション3:基本操作
  • 基本機能の紹介と操作方法
  • 重要な概念や用語の説明
  • 簡単な実践例での練習
セクション4:実践的な内容
  • 実際の業務で使える応用技術
  • よくある問題の解決方法
  • 効率化のためのテクニック
セクション5:ケーススタディ
  • 実際の事例を使った総合演習
  • 複数の技術を組み合わせた実践
  • 一般的なシナリオでの活用法
セクション6:応用編
  • より高度な技術や最新機能
  • 他のツールとの連携方法
  • さらなる学習のための次のステップ

各セクションの役割と目的

イントロダクションは受講者の学習モチベーションを高める役割があります。
「この講座を受ければ、こんなことができるようになる」という期待感を演出しましょう。

事前準備では、受講者が躓きやすいポイントを丁寧にフォローすることが重要です。
「誰でもできそうな内容」でも、丁寧に解説してあげると満足度も向上します。

基本操作から実践的な内容にかけては、段階的にスキルを積み上げていく設計にします。
急に難しい内容から始めるのではなく、基礎から実践、徐々に応用に向けた内容を届けるのが大事です。

最後にケーススタディ応用編で、学んだスキルを実際の場面で使える実践力を身につけてもらいます。

最低3時間以上のボリューム設計の重要性

Udemyでは基本的にセール価格で販売されるため、受講者はボリューム感を重視します。
同じ価格なら、より多くの内容を学べる講座を選ぶのが自然です。

海外で人気の講座をリサーチしてみると、複数のコースを1つにパッケージングしたような「10Corse in 1」みたいな数十時間のボリュームの講座なんかもあります。(無理に真似る必要はないです)

ボリュームを増やすために無駄な内容を入れるのは逆効果なので、価値のある内容で3時間以上を目指しましょう。

実践的カリキュラム作成手順

ステップ1:ゴールから逆算する設計法

効果的なカリキュラムは、最終ゴールから逆算して作ります。

最終ゴール: 「営業資料を30分で作成できるようになる」

逆算の手順:

  1. 営業資料を作るには何が必要?→ テンプレート作成、データ分析、グラフ作成
  2. テンプレート作成には何が必要?→ PowerPoint の基本操作、レイアウト設計
  3. データ分析には何が必要?→ Excel の関数、データの整理方法
  4. グラフ作成には何が必要?→ Excel のグラフ機能、見やすいデザイン

こういった逆算により、学習すべき要素と順序が明確になります。

ステップ2:各レクチャーの詳細設計

各セクションをさらに細かいレクチャーに分割します。

セクション3:基本操作(例)

  • レクチャー1:PowerPoint の画面構成と基本操作
  • レクチャー2:スライドの作成と編集方法
  • レクチャー3:テキストの入力と書式設定
  • レクチャー4:画像と図形の挿入方法

1つのレクチャーは5〜15分程度に収めることで、受講者が集中しやすくなります。

詳しくは後述しますが、レクチャーは内容ごとに分割しておくと後々の講座のメンテナンスも楽になります。

ステップ3:理論と実践のバランス調整

説明だけでなく、実際に手を動かす実践部分を適切に配置します。

Udemyの場合は「アクティビティ」というレクチャーを提供できて、クイズや演習、小テストなんかも用意することができます。

「説明→実演→実践や学習の確認」のサイクルを繰り返すことで、学習効果が最大化されます。

長期運営を考慮した設計のコツ

UIアップデートに対応しやすいカリキュラム構成

ソフトウェアや最新のサービスを扱う講座では、UIの変更やアップデートが頻繁に発生します。

特に生成AIの講座なんかは毎月レベルで新機能が出てきたり、新モデルが登場しています。

初めからメンテナンスしやすい構成にしておくことで、長期的な運営が楽になります。

アップデートに強い構成:

  • 普遍的な内容(生成AIとは?等)は長尺でも問題ない
  • 細かい操作手順は独立したレクチャーにしておく
  • 「原理・原則」などの変わらない内容と「実際の操作」等のレクチャーをひとまとめにしない

アップデートに弱い構成:

  • 操作手順と概念説明が混在(概念は変わってないけど手順が変わった時に撮り直しが必要)
  • 画面の細かい操作に過度に依存(右上のボタンを押して「◯◯」を押して、等のUIありきの解説

出来るだけ「各機能ごと」にレクチャーを作成しておくと長期的に運営しやすい講座にできるはずです。

基本操作での躓きポイント対策

「誰でもできる」と思われがちな基本操作でも、分からない人がいる前提で作ってあげてください。

念の為用意しておくべきレクチャー:

  • アカウント登録時のメール認証
  • ソフトウェアのダウンロード先が分からない
  • インストール時のエラー対応
  • 初期設定の方法

特にネット環境に馴染みの薄いシニア層や初心者が多いテーマでは、より丁寧な説明をしてあげるとベストです。

メンテナンスしやすい構成設計

講座を長期間販売することを考えると、更新のしやすさも重要な要素です。

メンテナンスしやすい設計:

  • 独立性の高いレクチャー構成(内容ごとに分割)
  • 更新頻度の高い内容は専用セクションにまとめる
  • 「補足」や「アップデート情報」用のセクションを用意
  • 基本操作と応用操作を明確に分離

講座企画書作成テンプレート

効果的な講座を作るためには、企画段階でしっかりと構成を練ることが重要です。

以下のようなテンプレートを用意しておくと、情報を整理しながら講座制作を進められると思います。

基本情報

  • 講座タイトル: _______________
  • 対象者   : _______________
  • 学習ゴール : _______________

コンセプト設計

  • 受講者の現在の課題  : ___________________
  • 講座受講後の理想の状態: ___________________
  • 提供する価値     : ___________________

カリキュラム構成

セクション1:イントロダクション

  • レクチャー1:はじめに
  • レクチャー2:この講座で学ぶこと
  • レクチャー3:講師紹介

セクション2:事前準備

  • レクチャー1:___________________
  • レクチャー2:___________________
  • レクチャー3:___________________

セクション3:基本操作

  • レクチャー1:___________________
  • レクチャー2:___________________
  • レクチャー3:___________________

セクション4:実践的な内容

  • レクチャー1:___________________
  • レクチャー2:___________________
  • レクチャー3:___________________

セクション5:ケーススタディ

  • レクチャー1:___________________
  • レクチャー2:___________________
  • レクチャー3:___________________

セクション6:応用編

  • レクチャー1:___________________
  • レクチャー2:___________________
  • レクチャー3:___________________

チェックリスト

□ 各レクチャーの学習目標は明確か?

□ 段階的にスキルが積み上がる構成になっているか?

□ 実践的な内容が十分に含まれているか?

□ 総再生時間は3時間以上か?

□ 躓きやすいポイントへの配慮があるか?

よくある設計の失敗パターンと対策

失敗パターン1:「誰でもわかる」内容で受講生が躓く

問題: アカウント登録やソフトのインストールなど、「誰でもできる」と思われる作業で受講者が躓いてしまう。

対策:

  • 実際の画面を録画して操作手順を見せる
  • よくあるエラーパターンを事前に説明(公式ドキュメントへの誘導でも可)
  • 「うまくいかない場合の代替手段」を用意
  • 各OSやブラウザでの違いも説明(WindowsとmacOSの違い等)

失敗パターン2:情報を詰め込みすぎる

問題: 「せっかくだから色々教えよう」という気持ちで、関連情報を詰め込みすぎて焦点がぼやける。

対策:

  • ペルソナの課題解決に直結する内容のみに絞る
  • 「知っていると便利」な情報は応用編に移動
  • 1つのレクチャーでは1つのスキルに集中

失敗パターン3:アップデート対応を考慮しない設計

問題: ソフトウェアのUIが変更されると、講座の内容が古くなって使えなくなる。

対策:

  • 画面の細かい部分に依存しない説明を心がける
  • 基本的な考え方や原理を重視した構成にする
  • アップデート情報用のセクションを最初から用意

失敗パターン4:学習順序が不適切

問題: 必要な前提知識を説明する前に応用的な内容に入ってしまい、受講者が置いていかれる。

対策:

  • 各レクチャーの前提知識を明確にする
  • 「前回のレクチャーでは…」で復習を入れる
  • 難易度の上がり方を緩やかにする

まとめ:企画書で講座の成功を決める

講座のコンセプトとカリキュラム設計は、受講者満足度と売上を左右する重要な要素です。

特に重要なのは、ペルソナの課題を明確に解決できる学習ゴールを設定し、そこに向けて段階的にスキルを積み上げていく構成を作ることです。

また、Udemyでの長期販売を考えると、アップデートに対応しやすく、メンテナンスしやすい設計にしておくことも欠かせません。(特に生成AIなどアップデートの多いサービスを扱う際は設計段階から気を付ける)

企画書テンプレートを活用して、しっかりとした設計図を作成してから講座制作に取りかかりましょう。

明確な設計図があることで、次の資料作成や撮影の段階もスムーズに進められます。

次のステップでは、設計したカリキュラムを実際の教材に落とし込むための資料作成と台本準備について詳しく解説していきます。

効果的なスライド作成や、分かりやすい台本の書き方を学んで、より質の高い講座を制作していきましょう。

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