オンライン講座の差別化ポイントが決まったものの、「具体的に誰に向けて作ればいいのか分からない」と悩んでいませんか?

「幅広い人に響く講座にした方が売れるはず」そう考える気持ちは分かりますが、実はその逆です。
ターゲットを絞れば絞るほど、メッセージが刺さりやすくなり、結果的に高い受講率を獲得できるのです。
この記事では、Udemyでの効果的なターゲット設定方法と、実践的なペルソナ作成の手順について詳しく解説します。
記事を読み終える頃には、あなたの講座にぴったりの受講者像が明確になっているはずです。
なぜターゲット設定が重要なのか
「みんなに響く講座」は「誰にも響かない講座」
「誰でも向け」の講座は、結果的に「誰にも刺さらない」講座になってしまいます。
和食を食べたい人が「なんでも食べれるお店」よりも「和食専門店」に行くのと同じです。
広いターゲットの講座例:「ビジネススキルを向上させたい全ての人へ」 → 抽象的で、自分事として感じにくい
絞ったターゲットの講座例:「営業成績が伸び悩む20代営業マンのための提案力向上講座」 → 具体的で、該当者には強く刺さる
後者の方が「まさに自分のための講座だ!」と感じてもらいやすく、実際に受講率も高くなる傾向があります。
メッセージの刺さり方の違い
ターゲットが明確になると、使用する言葉、事例、学習設計すべてがその人に向けて最適化できます。
広いターゲット向けメッセージ:「Excelスキルを身につけましょう」
絞ったターゲット向けメッセージ:「データ集計に3時間かかっている広告運用者の皆さん、30分で終わる方法をお教えします」
具体的であればあるほど、ターゲットの心に響くメッセージになります。
Udemyでのターゲット設定が特に重要な理由
Udemyでは数多くの類似講座が存在するため、差別化が特に重要です。
また、Udemyユーザーは「自分の課題を解決してくれる講座」を明確に求めている傾向があります。
そのため、漠然とした講座よりも「○○な人のための△△講座」という形で、対象者と解決する課題が明確な講座の方が選ばれやすいのです。
Udemyでよく使われるターゲット設定パターン
レベル別ターゲティング
Udemyで最も一般的なターゲット設定は、経験レベルによる区分です。
僕の場合もほとんどのコースをレベル別ターゲティングで「初級者向け」にしています。
初級者向けの特徴:
- 基礎知識がない前提で解説(アカウント登録やインストール方法まで)
- 専門用語を使わず、分かりやすい言葉で説明
- 実際の操作画面を多用
- 「入門」「はじめての」「ゼロから」などのキーワード
中級者向けの特徴:
- 基礎知識がある前提で進行
- より実践的な内容や応用テクニック
- 効率化や時短に焦点
- 「実践」「活用」「応用」などのキーワード
上級者向けの特徴:
- 専門的な内容や最新トレンド
- 理論的背景や原理の説明
- カスタマイズや高度な設定
- 「マスター」「プロ」「上級」などのキーワード
同じテーマでも、レベルによって全く異なる講座になります。
職業別ターゲティング
特定の職業や業界に特化することで、より具体的な価値を提供できます。
よくあるパターン:
- マーケター向け: データ分析、広告運用、SEOなど
- デザイナー向け: デザインツール、UI/UX、ブランディングなど
- 営業向け: 提案資料作成、顧客管理、商談スキルなど
- 経営者・管理職向け: マネジメント、戦略立案、財務分析など
- フリーランス向け: 営業、価格設定、業務効率化など
職業特化のメリット:
- 業界特有の課題に対応できる
- 専門用語を使って深い話ができる
- 実際の業務に直結する内容を提供できる
- 競合が少なくなりやすい
注意点:
市場規模が限られるため、あまりにニッチな職業だと受講者数が伸び悩む可能性があります。
最低限必要なペルソナ要素
Udemyでは詳細すぎるペルソナは不要ですが、以下の要素は必ず明確にしておくと良いカリキュラムが構築できるはずです。
Udemyに必要な基本情報
1. 経験レベル
- 完全初心者 / 少し経験あり / 実務経験者
- どの程度の前提知識があるか
2. 職業・業界
- 具体的な職種(可能であれば)
- 会社員 / フリーランス / 学生 / 主婦など
3. 学習目的
- スキルアップ / 転職準備 / 副業 / 趣味
- 短期的目標 vs 長期的目標
4. 抱えている課題
- 現在困っていること
- 理想の状態とのギャップ
- 解決したい具体的な問題
これら4つの要素が明確になれば、効果的な講座設計ができます。
実践的なペルソナ作成手順
ステップ1:競合講座のレビュー分析
まずは、競合講座のレビューを詳しく分析して、実際の受講者像を把握しましょう。
レビュー分析のポイント:
- どんな課題を解決したくて受講したか
- どの部分が役に立ったと言っているか
- どんな不満や要望があるか
- 職業については直接言及されることは少ないが、業務内容から推測できることがある
例えば、Excel講座のレビューを見ると「営業の資料作成が楽になった」「経理作業の効率化ができた」といったレビューから、実際の受講者像が見えてきます。
ステップ2:基本ペルソナの作成
競合分析の結果を基に、以下のテンプレートを使ってペルソナを作成します。
ChatGPT講座の具体的なペルソナ例:
基本情報:
- 田中 健太(28歳)
- IT企業の営業担当(経験3年)
経験レベル:
- ChatGPTを聞いたことはあるが使ったことがない
- Excelやメールなど基本的なPCスキルはある
学習目的:
- 日々の営業資料作成を効率化したい
- 上司から「AI活用できるようになれ」と言われている
抱えている課題:
- 提案資料作成に毎回3-4時間かかっている
- アイデア出しで行き詰まることが多い
- ChatGPTに興味はあるが何から始めていいか分からない
理想の状態:
- ChatGPTを使って営業資料作成時間を半分にしたい
- 顧客に刺さる提案のアイデアを効率的に出したい
このように具体的にペルソナを設定することで、講座の内容や説明の仕方が明確になります。
ステップ3:ペルソナの検証と修正
作成したペルソナが適しているかどうかを検証することが重要です。
現実的な検証方法:
- 競合講座のレビューをさらに詳しく分析
- 知人でペルソナに該当しそうな人にヒアリング
- 可能であれば簡単なアンケートで確認
ただし、完璧な検証は難しいのが現実です。
最も確実なのは、実際に講座をリリースしてからの受講者の反応を見ることです。
実は、僕も最初は完全に頭の中だけでペルソナを作成していましたが、実際に講座をリリースしてみると、想定していた受講者層とは異なる人たちが多く受講してくれることも多々あります。
その経験から学んだのは、「想像のペルソナ」ではなく「現実のペルソナ」に基づいて講座を設計することの重要性です。
ペルソナを現実に近づける方法
顧客ができ始めたらペルソナを書き換える
講座をリリースして実際の受講者が現れたら、当初のペルソナを現実に合わせて修正していきましょう。
修正のタイミング:
- レビューから具体的な業務や職業が読み取れるようになった時点
- 想定と大きく異なる受講者層からの反応があった時点
- Q&Aで想定外の質問パターンが複数見られた時点
フィードバックからペルソナを修正する手順
1. 実際の受講者データを収集
- レビューの内容分析
- Q&Aでの質問パターン
- 受講者の職業や背景(分かる範囲で)
2. 当初のペルソナとの差異を確認
- 想定と異なる点はどこか
- 予想外の受講者層はいるか
- 課題や学習目的にズレはないか
3. ペルソナをアップデート
- 実データに基づいてペルソナを修正
- 新たに見つかった受講者タイプを追加
- 講座のアップデート、メンテナンス時に活用
この過程を通じて、より現実に即したペルソナに近づけることができます。
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1:ターゲットを絞りすぎる
問題: 「左利きの25歳女性デザイナー向け」のように、あまりに細かく設定しすぎて市場規模が小さくなる。
対策: 最低でも数千人規模の市場があるかを事前に確認する。不安な場合は、もう少し広めの設定から始める。
失敗パターン2:理想のターゲット vs 現実のターゲット
問題: 「こんな人に受講してほしい」という理想と、実際に受講する人にギャップがある。
対策: 競合講座の分析を徹底的に行い、現実的な受講者像を把握してからペルソナを設定する。
失敗パターン3:ペルソナを作って満足してしまう
問題: ペルソナを詳細に作成したものの、実際の講座内容や設計に活かされていない。
対策: 講座の各セクションを作る際に「このペルソナにとって分かりやすいか?」を常に確認する習慣をつける。
まとめ:明確なターゲットで響く講座を作る
効果的なターゲット設定とペルソナ作成により、あなたの講座は「まさに自分が求めていた講座!」と感じてもらえる内容になります。
重要なのは、最初から完璧なペルソナを作ろうとしすぎないことです。
基本的な設定から始めて、実際の受講者からのフィードバックを基に継続的に改善していけば十分です。
ターゲットが明確になったら、次はそのターゲットに響く講座のコンセプトとカリキュラムを設計していきます。
ペルソナの課題や学習目的を解決できる、魅力的な講座の全体像を描いていきましょう。
次のステップでは、設定したターゲットのニーズを満たす効果的なコンセプト作りと、学習効果を最大化するカリキュラム設計の方法について詳しく解説していきます。