この記事はPodcastの書き起こしです
こんにちは、滝沢直人です。
6月最後の配信になりますね。
今月は「オンライン講座販売の戦略」をテーマに、1週目は普段使いのツールをマネタイズする方法、2週目は競合だらけの市場での差別化戦略、3週目は価格設定の心理学についてお話ししてきました。
今週は、6月の締めくくりとして「受講生からの質問で気づいた盲点」について話していきたいと思います。
実は、これまで数多くのオンライン講座を作ってきて、一番勉強になったのが受講生からの質問なんです。
自分では当たり前だと思っていたことが、実は全然当たり前ではなかったり、想像もしていなかった使い方をしてくれる受講生がいたり。
今日は、そんな実体験を通して学んだことをシェアしていきます。
特に、これから講座を作ろうと思っている方には、事前に知っておくことで避けられる落とし穴もたくさんあるので、ぜひ最後まで聞いていただければと思います。
「初心者の気持ちを忘れない」ことの大切さ
まず最初に、講座制作で一番大切だと感じているマインドセットについてお話しします。
それは「初心者の気持ちを忘れない」ということです。
自分にとっての当たり前は、相手にとっての当たり前ではない
これは当然のことのように聞こえますが、実際に講座を作っていると、本当に忘れがちになるんです。
自分にとって当たり前のことは、受講生にとって当たり前ではない。
これを頭では理解していても、実際に講座を作る段階になると、つい自分の知識レベルで話してしまうんですよね。
19歳の頃に学んだ大切なマインドセット
実は、この「初心者の気持ちを忘れない」というマインドセットは、僕が19歳で起業した頃に、村上さんというコピーライターの方から教わったものなんです。
村上さんは、日本のインターネットマーケティング業界の第一線で活躍されていた方で、当時は伝説的な教材を数多く販売していました。
その中で「初心者の気持ちを忘れない」っていうマインドセットをかなり強調して伝えてくれてたんですよ。
当時の僕は、「そんなの当然でしょ」くらいに思っていました。
でも実際に講座を作った時に、この言葉の重要性を痛感しました。
なぜ初心者の気持ちを忘れがちになるのか
なぜ僕たちは初心者の気持ちを忘れがちになってしまうのでしょうか?
それは、自分がそのスキルや知識に慣れ親しんでしまうと、「これくらいは知っているだろう」「これくらいはできるだろう」と無意識に思い込んでしまうからです。
例えば、僕たちは毎日のようにパソコンを使っているので、「ファイルをダウンロードする」とか「新しいタブを開く」とかは無意識にできますよね。
でも、パソコンに慣れていない人にとっては、これらも十分に説明が必要な操作なんです。
講座制作でも、まったく同じことが起きるんです。
想定外だった質問TOP3
では、実際に僕が受けた質問の中で、特に「これは想定していなかった」と感じたものを3つ紹介します。
1位:基本操作系「ログインってどこから?」
まず1位は、基本操作に関する質問です。
例えば、「ログインってどこからすればいいんですか?」という質問。
僕にとっては、サイトにアクセスしたら右上にログインボタンがあるのは当たり前だったんですが、初めてそのサイトを訪れる人にとっては、どこをクリックすればいいのかが分からなかったりするんです。
他にも、「ダウンロードしたファイルがどこに保存されているか分からない」とか、「アカウントの作成方法が分からない」みたいな質問もありました。
これらは全て、僕にとっては無意識にできる操作だったので、講座では説明を省いていた部分でした。
2位:環境違い系「Macでは画面が違います」
2位は、使用環境の違いに関する質問です。
僕はMacを使って講座を撮影していたんですが、Windowsユーザーの方から「画面が違って分からない」という質問をいただきました。
同じWebサービスでも、ブラウザが違ったり、OSが違ったりすると、見た目や操作方法が微妙に変わることがあるんですよね。
微々たる差だったりするんですけど、100%画面の通りに実践したい人からしたら難しく感じちゃうんですよね。
他にもサービスのバージョンが古い場合に、僕が説明している機能が使えないということもありました。
「講座で説明されている機能がありません」という質問が来て、アップデートで大きく変わってるなんてこともよくあります。
こういった様々な環境の人が受講していることを想定することも大事です。
3位:応用系「これを別の用途に使いたい」
3位は、僕が教えた内容を別の用途に応用したいという質問です。
例えば、Notion講座では「データ整理」をコンセプトに教えたんですが、受講生の方から「ビジネス向けのデータベース構築をしたい」という相談をいただきました。
これ自体は素晴らしい質問で、実際に応用できるものなんですが、僕は講座の中では特定の用途しか説明していませんでした。
でも受講生の方は、学んだことをいろんな場面で活用しようと考えてくれているんですね。
これらの質問を受けて、僕自身も「なるほど、こんなニーズもあるのか」と学ばせてもらうことが多いです。
受講生の発想力や応用力には、本当に驚かされます。
質問対応で学んだこと
これらの質問に対応していく中で、僕自身が学んだことが2つあります。
専門用語を使わない説明の重要性
1つ目は、専門用語を使わない説明の重要性です。
僕たちは普段、業界の専門用語を使うことに慣れているので、無意識に専門用語を使って説明してしまいがちです。
でも、受講生にとっては、その専門用語自体が分からないことが多いんです。
例えば、AIにあまり触れていない人に「プロンプトを入力してください」と言っても、「プロンプトって何ですか?」ってなりますよね。
僕にとっては「AIに対する指示文」という意味で使っているんですが、初心者の方にとっては全く馴染みのない言葉なんですよね。
そういったことを想定して、初めから誰にでも分かる言葉で講座を作ってあげることが大事ですね。
「なぜその質問が生まれたか」を考える習慣
2つ目は、「なぜその質問が生まれたか」を考える習慣です。
質問をもらったとき、単純に答えを返すだけではなく、「なぜこの質問が生まれたんだろう?」ということを考えるようになりました。
多くの場合、質問が生まれる理由は、講座の中で説明が不足していた部分があるからです。
例えば、「ログインボタンがどこにあるか分からない」という質問が来たら、「講座の中でログイン方法をもっと詳しく説明するべきだった」ということに気づけます。
この「なぜその質問が生まれたか」を考える習慣をつけることで、講座の改善ポイントが見えてくるんです。
そして、次の講座を作るときに、同じような問題を事前に防ぐことができるようになります。
次回作に活かしていること
これらの経験を踏まえて、僕が次の講座制作で気をつけていることが2つあります。
よくある質問を先回りして講座内で解説
1つ目は、よくある質問を先回りして講座内で解説することです。
新しい講座を作るときには、過去に頂いたよくある質問への回答を事前に講座の中に盛り込むようにしています。
例えば、「ログイン方法」とか「アカウント作成」については、必ず講座の最初の部分で詳しく説明するようにしています。
また、「よくある質問」という独立したセクションを作って、想定される質問とその回答をまとめて提供することもあります。
初めてサービスを知った人向けのカリキュラム構成を意識
2つ目は、初めてそのサービスを知った人に全てを説明するくらいのカリキュラム構成を意識することです。
以前は、「これくらいは知っているだろう」と思って省略していた部分も、今では丁寧に説明するようにしています。
例えば、アカウントの作成方法から、基本的な画面の見方、よく使う機能の場所まで、本当に基礎的な部分から説明します。
「説明しすぎかな?」と思うくらい丁寧に説明した方が、結果的に受講生の満足度が高くなることが分かりました。
既に知っている人にとっては冗長に感じるかもしれませんが、知らない人にとっては非常に助かる情報なんです。
そして、講座の説明文で「完全初心者向け」ということを明記することで、適切な受講生に選んでもらえるようにもしています。
まとめ
今日は「受講生からの質問で気づいた盲点」についてお話ししました。
質問は講座のクオリティを高められる貴重なフィードバック
受講生からの質問は、時として対応が大変に感じることもありますが、実は講座のクオリティを高められる貴重なフィードバックなんです。
質問があるということは、その部分の説明が不足していたり、分かりにくかったりする証拠です。
つまり、質問は講座を改善するためのヒントの宝庫なんですね。
これも昔学んだ計画50%、発見50%というマインドセットです。
「教える」ことで「学ぶ」ことの価値
また、「教える」ことで「学ぶ」ということの価値も実感しています。
受講生からの質問に答えることで、僕自身も新しい視点を得ることができますし、自分の知識をより深く理解することができます。
受講生の発想力や応用力に驚かされることも多く、逆に僕が学ばせてもらうことも少なくありません。
今月のまとめ
今月は「オンライン講座販売の戦略」をテーマに、普段使いのツールのマネタイズから始まって、差別化戦略、価格設定、そして今日の受講生とのコミュニケーションまで、幅広くお話ししてきました。
どの回でも共通しているのは、「受講生の立場に立って考える」ということの重要性です。
自分の都合や常識ではなく、受講生がどう感じるか、どう学習するかを第一に考えることが、成功する講座を作る最大のポイントだと思います。
来月は新しいテーマでお話ししていく予定です。
7月も引き続き、オンラインビジネスに役立つ情報をお届けしていきたいと思います。
本日も最後までお聞きいただき、ありがとうございました。
それでは、また来週お会いしましょう!